Roots --あたしが私に還るとき
Roots --あたしが私に還るとき
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此処に始まる呪われた十数年について貴方に語る前に、誤解を避けるためあえて云っておきたい。
私はその頃も今も特別に優れた容姿をしているという訳ではない。
並み外れて顔が美しいわけじゃなく、一際目立って胸が豊かな方でもない。
発育も人並みで、初潮は14歳だった。
何故先生があの時あんな風になってしまったのか、時々あたしは思い巡らすことがある。
理由があるとすれば、考えられる私なりの仮説はこうだ。
私は、自分が思う以上に強烈な“渦”を持っていて、いまだにその勢力を把握できないでいる。
その余波の波長を感じる能力を持った、ある種類のヒトだけがあたしに感応して近づき、その手を動かされるのではないか。
確証はないけれど。
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何事もなかったみたいに、日常は過ぎて行った。
ただ時に起こる自分の中の渦と、それに伴って蘇る呪いの台詞。
自分のカラダに潜む悪魔に否応なく目を向けさせられる、という呪い。
…そのこと以外は。
初めて痴漢に遭遇したのはその後すぐだった。
一人でショッピングセンターへ行った帰り、自転車を出そうとしていたらいきなり後ろからオジサンにお尻を掴まれたのだ。母には言えなかった。
渦が巻き起こる。
『オトナニナレバ、ワカルヨ』
あたしの中の悪魔が先生の台詞を復唱する。
あたしは女の子の友達が少なく、男の子の遊びが好きな少女だった。
その頃仲の良かった近所の年上の男の子と、その子の家でよく遊んでいたのだけれど、ある日押し入れの中で何故か突然押さえ付けられ、揉みくちゃにされ、恐くなって逃げ帰ったこともあった。
渦。呪い。
『オトナニナレバ、ワカルヨ』
中学校では、ほとんど会話も交わしたことのない同級生に『紹介したい先輩がいるんだけど』と遊びに誘われたがあっさり断った。
彼女は中学1年にして『あの娘、上級生とヤッてるらしいよ』と噂されていた、いわゆる“不良っぽいコ”だった。
皆が彼女を恐れていた。
皆と一緒になって陰口を叩いたりはしないまでも、あたしもあえて彼女には近寄らなかった。
あたしが誘われたのは何故か。
友人の少なさのために、あたしが“群れからはぐれた羊”に見えたのだろうか。
渦。呪い。
『オトナニナレバ、ワカルヨ』
けれどあたしの中学時代はオオザッパに云えば概ね平坦な、いわゆる普通の中学校生活だったと言える。
想うひとには想われず、しかも惚れっぽいあたしは毎年違うヒトにバレンタインチョコを渡した。
話したこともほとんどないような男子生徒にいきなり“告白”されたりもしたが、どうしたら良いかわからず放置するようにしていた。
クラス替えのたびに変わる友達。
目立ち過ぎず、かといって地味でもなく、成績も悪くはなかった。
当たり障りなく孤独に過ごした割にイジメに遭わなかったのは、女子特有の“陰口大会”でいつも聞き役に徹していたからだろう。
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採点