Roots --あたしが私に還るとき
Roots --あたしが私に還るとき
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「あ、あー…っふ」
「そんなヤラシい顔すんなよ、お前」
そう云うDは、どことなく少年じみたおかしな表情をしながらあたしに再度侵入する。
その日二度目の交わり。
「お前みたいな淫乱を満足させられる男なんて、何処にもいねぇんだよ。なぁ…わかってんの?」
オカワリを要求した覚えはないのに全く理不尽な云われようだ。
あたしは答えをせず、身体だけを解放させる。
尖端が深みの肉壁を穿ち、ゆっくり動かされ。
あたしも、動く。
口を開き、また閉じ。
声が吐息と混ぜ合わさり、艶やかな開放感にカラダが鳴きしきる。
裏返したり引っ掻き混ぜられたりされる仕返しに、絞め上げ押し付けて責め返す。
責め立て、せめぎあい、何もかも忘れる。
極まりが押し寄せ、あたしが身を震わせると彼はそれを見届けるために身体を激しく送り付けた。
お互い、何も感情に入れず行為に集中するだけ。
「お前ばっかり」
「だって。ショウガナイ、んでしょ…?あッ、いく…いぃっ、あぁ…」
「ほら、またぁ」
「やあぁーんんッ、あ、あっ、あー…」
Dとのセックスは何時も、お互いがウンザリするまで続けられる。
『インラン』か。
その通りだ。
あたしに似合いの肩書き。
Dによってつけられた、肩書き。
あたしの凍みだ。
満足って何よ、と思った。
「さっきのハナシ。その気になったら、電話くれよ。急ぐほどでもないけど」
帰りがけのあたしに向かって、戸口にもたれ掛かったDが云った。
「何だっけ?」
「例の仕事」
「あぁ、別に…」
もとより投げやりなDとの関係。
彼のことは高校生の頃から知ってる。
自分の利にならない行動はしない彼だ。
それがこれほど熱心に持ち掛ける話なんて、気味の良いものではなかった。
けれど--オイシイ話の少しくらい、舐めてみても損はないだろう--浅薄な衝動があたしを捕えた瞬間だった。
「構わないわよ。ただのアルバイトでしょ?ノルマとかないんならやってみてもいいけど」
左右大きさ不揃いなDの目が、ぱちりと動じる。
「あっそう。じゃあ今度そのツレに会ってもらうから。また夜に連絡するわ」
唇の片端を歪めて笑い、Dはあたしの肘に軽く触れた。
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