Roots --あたしが私に還るとき
Roots --あたしが私に還るとき
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女のコ達の世界は、あたしに計算高い自由を教えてくれた。
『心は自由だ』
籠から放たれた蝶々。
甘い蜜を求めて。
他人にバレなければどうってことないのだ。
浮気も本心も。
女のコ達にとっての甘い蜜--それは、相手となる男達の乗っている車だったり、連れて行ってもらうレストランだったり、プレゼントのブランド品だったり。
そんなコトはオクビにも出さず、ひたすら“男ウケ”する服やメイクで自分達を毎日粉飾する。
そしてあたしの価値観も、次第にそういう“形あるもの”へと重心を移してゆくのだった。
思えば歪んだ性癖であったことだ。
どんな相手であれど、初めにカラダ有りき。
相手は一応、きちんと選んだ。
女性慣れしていること。
お金がありそうなこと。
それから、あたしに恋人がいると知っても怯まない割り切った態度。
所詮カラダだけが目当てなのはわかっていたから、面倒なのは御免だった。
それに、女性の扱いやセックスが上手な男との継続した関係は危険だ。
うかうか捕まって籠に入れられてしまってはいけない。
嵌まり込んでしまわないように。
あたしはお花畑を巡る蝶々みたいに自由に飛び回っていた。
そうして知り合った男達数人と、寝た。
そのニ年間。
顔すら思い出せない。
何れもほとんどその場限りだった。
決して友人達には知られないように細心の注意を払って。
素敵でツマラナイ男達。
皆、同じようでいて皆違った。
“お嬢サマ”であるはずのあたしが、本心では何を求めているかを知ればきっと腰を抜かすだろう男達--。
短期大学の二年間は、実はとても短い。
英語学科での授業は、代返などがきかなかった。
クラス分けされ、席順が決められ、毎回出欠をとる。
まるで高校生だ。
1時限目から最終時限までほぼ毎日、みっちり必須科目が組まれていた。
試験休み・長期休暇・大型連休などだけは澤村の棲処に行ったり、澤村が帰省してきてくれる。
バイト先ではあたしの他にももうひとり学生バイトの男のコがいたので、休暇に合わせて休んだりしても特に問題はなかった。
授業、
バイト、
コンパ絡みの諸々、
澤村との逢瀬。
澤村に嘘をつき、両親達に言い訳をし、友人達を欺いて。
良心の呵責に悩むほど余計なコトを考え込む暇などあるはずもなかった。
採点