Roots --あたしが私に還るとき
Roots --あたしが私に還るとき
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あたしは、身体だけの関係を求めて“浮気”を繰り返すようになった。
遠距離恋愛だったから。
それもある。
物理的にカラダが求めていたのも理由の一つには違いない。
澤村に初めて抱かれたあの夜から、フィジカルな欲求があたしの身体を揺さぶり続けていたのは事実だ。
『ナニシテイルノ?』
『ドコニイルノ?』
澤村からのショートメールは毎日その繰り返し。
そのたび、嘘にならない嘘で返す。
『バイトシテルヨ』
『ミセニ、イルノ』
嘘が上手くなってゆく。
身体と心が分離してゆく。
澤村との距離のために満たされないままの身体。
さまようばかりの心。
あの呪わしい渦は既に制御しきれないほどに発達し、あらゆるモノを引き寄せるようになっていた。
あたしに接近してくる男が格段に増えた。
でも仕方なかった。
止められないのだから。
あたしは籠から抜け出した肉欲の生き霊そのものになっていった。
◆
あたしが通うその短大は、地元では名うての“お嬢サマ学校”だった。
コンパの誘いは引きを切らず、すぐ近くにあった国立大や沿線の私立大学生との飲み会が絶えず行われていた。
友人達にはあたしに恋人がいることを知られていたけれど(何しろ始終携帯が鳴るものだから)、それでも皆コンパにはちゃんと呼んでくれる。
だから気軽に応じるようにしていた。
苦痛は感じなかった。
参加したからには楽しむ。
少し自惚れ(うぬぼれ)ていたのかもしれない。
通っている学校の名前が肩書になり、それが強力な吸引力を発揮する。
まるで自分自身に付加価値が備わったかのように。
その初めての感覚に、夢中になっていた。
ピロリロン、ピロリロン。
コンパの帰り道に携帯が鳴る。
『キョウハナニシテタ?』
『トモダチト、ゴハンタベニイッテタヨ』
『オトコ、イナカッタダローナ?』
『ソノトモダチ、ヒトリダッタヨ』
どんどん、どんどん、嘘が上手くなってゆく。
採点