Roots --あたしが私に還るとき
Roots --あたしが私に還るとき
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正直、自分でも不思議だ。
実際こんな風に無理矢理犯されたら、嫌がる女性の方が多いだろう。
恋人や夫相手に“デートレイプ”を訴える人すらいるご時勢だ。
でも、あたしは違った。
解放されたような--なんともいえず清々しい気持ちだったのだ。
そんな風に思う自分が、普通じゃあないコトもわかっていた。
それでも、その時に得た説明し難い“精神の平穏”をあたしは歓迎をもってさらりと受け入れてしまったのだ。
澤村もまた、普通のセックスでは満足できない性質だったらしい。
あたしは、初めて澤村を愛しいと感じ始めていた。
「あのさ、みぅ…」
ベッドカバーを取り、綺麗な真っ白いシーツの上に座って脚に引っ掛かったショーツに手を伸ばしたあたしに澤村が云う。
彼にしては珍しく、少し言いにくそうに。
「これからもたまに…縛ったりしても構わない?」
一瞬考え込むふりをしてあたしは答えた。
「…先輩がしたいなら…。いいよ」
つるん、とした生地のショーツ。
ホントにカラスアゲハの羽根みたいだ。
ネイビーのロングソックスを履いた脚から外す。
「本当にイイのか?厭じゃなかった?」
視界の端で澤村が喜びを抑えつつ興奮に沸き立つ様子をとらえた。
黒い布切れ。
両手の平で包み込み握りしめる。
あたしはその時、彼の眼を見ないようにしていた。
何故か見てはいけないような気がした。
--受容。
あたしが彼の蟲籠にとらえられた瞬間だった。
果てしない独占欲に。
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