Roots --あたしが私に還るとき
Roots --あたしが私に還るとき
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ホテルの部屋に入ると、澤村の様子が一変した。
オートロックが、背後でカチャリと下りる音。
微かに黴臭く、やたら明るいクリーム色の室内。
手から床へ、鈍い音をたてて鞄が落ちる。
後ろから荒々しくむしゃぶりつく腕。
「待って…っ」
引き剥がそうとしても、強く絡み付く腕には抗えなかった。
「ヤ…ッ」
あまり広くない部屋の、真ん中に鎮座する四角い寝具の傍まで連行される。
羽織っただけの紺色の制服上衣を剥ぎ、変わらず後ろから無言のまま上半身を撫でまわされた。
そのままリボンタイを解き、ブラウスのボタンを外そうとする。
「やぁっ…だぁ」
身体を前に折り曲げて逃れるつもりが、バランスを失い安っぽいクリーム色のベッドカバーに崩れ落ちた。
埃まみれの布地。
顔が埋まる。
澤村の表情が見えない。
「ダメだ…」
--何がダメなの?
「このままいいか?」
ベルトを外す音。
首だけを捻って、その音の方を見ようとする。
「動かないで…」
優しいようで鋭さのこもった口調。
身体が強張る。
上半身をベッドに預けた姿勢で、あたしは大人しく従った。
両腕を後ろに持ってゆき、セーターを首から抜き取って背中へ剥きあげるように脱がされた。
後ろにまわった両腕が袖に絡まる。
構わず抜き取り、何か紐のようなもので簡略にあたしの両腕を縛る。
たぶん、さっきのリボンタイだろうな、と見当がついた。
どこか冷静に他人の目で自分の姿を想像する。
白い長袖の腕に巻き付く紅いリボン。
それはどうしようもなく刺激的な眺めだった。
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