Roots --あたしが私に還るとき
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秋口に自己推薦入試を受けて、あたしは春から地元の女子短大に進むことになっていた。
付属校とはいえ、本体の大学が遠隔地にあるっていう理由で、ウチの高校は外部への進学にも力を入れていた。
約半数の生徒は地元に近い大学などへ行くことが当たり前になっていたのだ。
本当は澤村の居る大学へ行くコトも出来た。
実際、冗談半分・本気半分に、
「こっちに来て、一緒に住めたらいいのにな?」
と彼にも幾度も云われた。
でもそうするのは嫌だった。
何故だかわからない。
でもあまり澤村の近くに居るとなにか駄目になるような気がした。
それに、大学に行っても知った顔が多すぎるということは想像するだに苦痛だったし。
歳頃なりに親元を離れたい気持ちも強くあったが、両親があたしを放したがらなかったので、それを自分と彼への言い訳にしてあたしは地元に残る決断をしたのだ。
その選択が、果たして正しかったのか…。
今でも私は判らない。
◆
1年生の終わりにヒロアキと別れ、2年生で澤村と付き合い始め、3年生で処女喪失。
申し分ない高校生活。
あたしのような出過ぎない態度を好む種類の男子生徒もいたようで、時々、思いもかけないトコロから交際を迫られたりすることもあったが、
「決まった人が居るから」
という言い方をして受け流すようにしていた。
そういう面で、澤村やヒロアキの存在はとても有り難かった。
嘘をつかずに済んだから。
でも、その後--。
あたしは嘘がものすごく上手な人間になってゆくことになる。
澤村が持っていた、獰猛な渦。
あたしを緩やかに引き寄せ手に入れるまで、抑制され飼い馴らされていたその渦の正体。
それは、人一倍強い“独占欲”だったからだ。
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