Roots --あたしが私に還るとき
Roots --あたしが私に還るとき
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決して裕福ではないが、穏やかな生活を与えてくれている夫。家賃数万円のアパート住まい。ワゴンR。平凡。
これで、私の家庭の紹介は終わり。
私が貴方にきいてもらいたいのは、此処に至るまでの『あたしのルーツ』のことなのだから。
◆
まだ一緒に暮らしはじめて間もない或る晩、夫がふと尋ねてきたことがある。
「みぅ、初めてのセックスはいつだって言ってたっけ?」
ありふれた質問。私はどう答えたんだったか。適当にはぐらかしたような気がする。
「…高校三年の冬」
それはハジメテ恋人トシタセックス。だから嘘ではなかった。
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