Roots --あたしが私に還るとき
Roots --あたしが私に還るとき
10ページ目
◆
これは生まれ落ちた時からの性分なのだろうけれど、私は他人と継続的に密な関係を結ぶことが不得意だ。
しかも約束を忘れやすく、傲慢で、飽きっぽいクセに嫉妬深い。
そのせいで、数少ない友人は皆、こちらがマメに連絡をしなくても特に気に病まないし詮索も干渉もしない、優しい人ばかりだ。
シガラミが嫌いなのではなく、私は生来そういう風にしか人間関係を維持できないのだと思う。
◆
そんなあたしは、高校進学にあたって、隣の市に数年前新設されたばかりの私立大学付属高校を選択した。
あたしのいた中学からその高校を受験した卒業生は、まだ居なかった。
自転車で連れだって地元高校に通うよりも、ただ独りでバスと電車を乗り継いで通学するほうがよほど気楽で都合がよかった。
それがあたしにとっては自然なことだったのだ。
◆
転機はすぐに訪れた。
中学に続けて器械体操部に入部したあたしは、当初1学年上の男子部員の中の一人にちょっとイイな…と好意を持った。
小柄で線が細く男性的でないところがイイ、と思った。
良く云えばとても中性的な魅力を持った彼は、ほどなくあたしだけではなく多くの新入生達の注目を集める存在となっていった。
そして夏が来る前に、あたしの同級生部員による大胆な攻めにイチ早く彼は陥落し、いとも簡単に交際を始めたのだ。
残念だとかいう感情は起きず、彼への興味は不思議なほど急速に萎えた。
あんなに優しげで女性的な外見でも、やっぱり男は男でしかない。
なぁんだ、皆同じだ、と。
ただ単純に、悟ったのだった。
採点