あもトイレ・愛の名作劇場 ?mari qui estime sa femme?
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あも


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卑怯な告白だった。彼のモラルと信念を押し潰して、自分の気持ちだけを押しつけて―…。

私は泣きながら何度も頷いた。私に奥さんを重ねてセックスしてもいいからね、とまで言った。彼に抱いてもらえるなら売春婦にでもなんにでもなる。もともと私はそっちの世界で生きていたので、身体を売ることには何の抵抗もなかった。

本当は‘恋人同士’になりたかったけど…。
でも、これ以上の譲歩を望んではいけないとわかっていた。彼は、こんな小娘に同情し、奥さんへの貞操を曲げ、なんとか打開策を見つけてくれたのだから。
何より私もこの時は舞い上がっていて、‘身体だけの関係で満足だ’なんて高を括っていた。


だけど、彼と逢瀬を重ねるたび、転がり落ちるように彼への恋慕は色濃くなってきて、あっという間にこの関係に嫌気がさしてきた。

どうしても、彼を自分だけのものにしたいと思ってしまうのだ。

どれだけきつく抱きついて眠っても、目醒めた時にはもう横に彼はいない。冷めたシーツと、枕元に置かれた十分すぎるほどの紙幣。行為の最中、彼が口にする奥さんの名前。私の名前なんて、一度だって呼ばれたことが無い。
堪らずに泣いてしまう。もちろん気付かれないように、泣き声は嬌声に変えるけれど。


すべてが疎ましかった。なぜ、私ではダメなのだろう。パスケースを拾ってくれたおばあさんは、私達を夫婦だと勘違いしたじゃない。グラウンドの野球男が一目惚れしてしまうほど、私は魅力的な女でしょう?

彼の為に死ぬほど努力したのだ。言葉遣いから振る舞い、必要最低限のマナー、高尚な趣味だって身に付けた。そりゃ、まだまだ甘い部分はあるけれど、彼の地位に似合う女には、なったつもりだ。なのに――。

あんな、いつ目醒めるともわからない妻だけに愛情を注ぐなんて、どうしたって不公平だ。いや、そうしていいと言ったのは私なのだけれど、やはりどうしても割り切れない。

彼もそれなりに愛情を持って私を囲ってくれている。指輪だって買ってくれた――大義名分はあくまでお洒落の為に買ってもらったものだけど。
最近、よく自宅に招いてくれる彼に、淡い期待を寄せていたのだ。もしかしたら彼も、私を愛し始めているんじゃないかって。


やはり、勘違いだった。私の口の中で彼の雄蕊が萎えていくのがわかる。たかが写真にすら勝てない私。
何よ、落としたの、気付かなかったクセに。
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