?由依との奏で?
第18話
?映画館前?
俺は服を着替えて、映画館の前に立っていた。
(由依はまだ来てないのか…)
しばらくして、由依がやってきた。
由依「おまたせ!」
俺は思わず吹き出しそうになってしまった。その理由は…
私 服 が ダ サ い !
そう、由依はファッションセンスがあまり良いとは言えなかった。
しかし、どう見ても張り切っている由依を見て、俺はセンスをいじる気にはなれなかった…。
翔太郎「じゃあ、はいろっか…」
由依「うん!」
今日俺たちが見た映画は恋愛映画だった。
主人公とヒロインのもどかしい愛を描いたもので、見ていて自分が恥ずかしくなった。
俺はそっと、ぎゅっと、由依の手を握りしめた。
由依は映画を見て…泣いていた。
由依は手を握られてはっとしてこっちをみた。そして涙を拭いてにこっと笑いかけた。
やっぱり由依を見るとドキドキする。俺は由依の覚悟を知らないから…。
映画を見終えたとき、由依はずっと俺の腕をつかんでいた。
それは子供が親の腕をつかんでいるようでもあり、どこか何かを懇願するようでもあった。
翔太郎「じゃあ、これから飯でもいこっか!」
そういって俺がお店のある方へ歩こうとすると、由依が俺の腕をくいっと引っ張った。
由依「うち…来ぃへん?」
(えっ…どういう意味だ?)
俺は思わず聞き返した。
翔太郎「今…、なんて?」
由依「今日、家に誰もおらんから…、家に来ぃへんか?」
由依ははにかんだまま答える。
由依からのまさかの提案にたじろぐ俺がそこにはいた。
翔太郎「行っていいの?」
由依「うん…」
自分自身でも何が起ころうとしているのかわからないまま、俺たちは由依の家へと向かうのだった。
?由依の家?
由依の家はうちの近所ではあるが、かなり小さな家だった。
翔太郎「おじゃまします」
由依「上がって…//」
仲直りのために企画した映画鑑賞から由依の家へ…。
こんなことになることは全く想定してなかった。
俺は由依の部屋へまず通された。
由依の部屋は質素だった。
部屋にあるのは小さな化粧台と、TVと、ベッドくらいだった。
部屋に通されてしばらくすると、由依がコーヒーを淹れてきた。
翔太郎「おっ、ありがとう!」
俺はコーヒーをすする。
…苦い。
俺は由依の手料理を心待ちにしていたのだが、一向に出てくる気配がない。
翔太郎「飯は…どうするの?」
由依「うち…料理できへん…」
耳を疑った。
翔太郎「できないって…まさか?」
由依「作って?」
まさか家に招待されて夕飯を作ることになるとは思わなかった。
そこで、由依に料理を教えるのをかねて、俺は厨房へたった。
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