?由依との奏で?
第16話
柏木が何を考えているかなんて全く知らずに、由依は柏木のことを思い出していた。
(柏木先生…なかなかええ人みたいやな♪ 梅田先生とはまた違った感じのする…)
学校を終え、帰るとき、ふいに由依が俺に言った。
由依「柏木先生って、どんな先輩やったんやろ…」
翔太郎「なんであいつのことを…」
由依「先生のこと、あいつ呼ばわりするん?」
翔太郎「由依、悪いことは言わないからあいつとはかかわらない方がいいよ」
由依「そんなのなんでわかるん?」
翔太郎「それは…」
俺は答えると由依がどう思うのかが怖くて答えられなかった。
由依「人のことあんまり悪く言うもんやないで!」
由依が本気で怒っていた。
翔太郎「ごめん…」
由依「翔太郎らしくないやんか…」
俺はもうどうしたらいいのかわからなかった…。
この日の俺と由依はどこかかみ合わないまま別れたのであった。
その日の夜、柏木はとある人物と話していた…。
柏木「もしもし? 今日高校行ってきたよ?」
???「どうだった??」
柏木「あの子、いたよ(笑) しかも担当のクラスだったし?」
???「そういえば、あたしが三年のころ二年だったしね(笑)」
柏木「なんか一人かわいい子がいてさぁ…?」
???「部活には顔出さないの??」
柏木「あたしは行っちゃまずいでしょ♪ 私より陽菜の方が好かれてるし♪」
???「じゃあ、とりあえずはおとなしくしてなきゃね♪ あ、勝手につまみ食いしちゃだめだよ??」
柏木「わかってるわよ?。 それじゃあね!」
柏木は電話を切るとにやりと笑うのであった…。
柏木が来てからというもの、俺と由依はぎくしゃくしてしまっていた。
翔太郎「由依さぁ、今日は二人で映画でも行かない?」
由依「そうやなぁ…ちょっと考える…」
翔太郎「はぁ…」
俺は柏木が何もしないことだけを切望していた。
この日は、ある意味柏木は何もしては来なかったのだが…。
今日も朝から梅ちゃんと一緒に柏木はやってきた。
柏木は至ってまじめな教育実習生だった。
(俺の考えすぎ…か?)
そんな呑気なことを考えているうちに、柏木の毒牙は俺の方ではなく、由依に迫っていた。
由依「柏木先生?!」
柏木「あっ、由依ちゃ?ん!」
俺は詳しくは知らなかったが、この短期間で柏木と由依はかなり仲が良くなっていた。
また、柏木は授業の教え方がうまく、男女両方からいい教師として認められつつあった。
俺は柏木のことを誰にも言えずに、ただ悶々と過ごしていた。
そんな中、俺の話し相手になってくれたのが優子とちゅりだった。
優子は俺が由依のことを心配していることだけ話すと、由依のことを気にかけてみてくれると言ってくれたし、ちゅりは柏木が吹奏楽部には来ていないことを教えてくれた。
高柳「あ、そういえば…」
翔太郎「どうかした?」
高柳「今度小嶋先輩が来てくださるんだ!」
翔太郎「おぉ?、こじはる先輩かぁ!」
ちゅりは一瞬はっとした顔をして俺に言った。
高柳「あ、小嶋先輩って五代君の…」
翔太郎「過ぎたことだからいいんだよ…。そのことではみんなにもこじはる先輩にも迷惑かけちゃったし…」
高柳「ごめんね! とにかく、そういうことだから!」
ちゅりは走って行ってしまった…
昼休みになって、柏木と由依は昼食を共にしていた。
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