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カオス・ストーリー2
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ベストピクチャー
第4話
帰宅してすぐさま俺は自分の部屋のベッドに飛び込むように身体を沈ませる。
枕に隠れた顔は、自分が思っている以上に正気のない表情を浮かべていただろう。
「はぁ……」
ポケットから携帯を取り出し、アドレス帳のページを開く。
榛名達海
彼の電話番号を見つけると、発信ボタンを押す。
『あ、もしもし? 裕也か?』
「お久しぶり……です」
達海さんは悔しいけどかっこいい。
顔立ちも綺麗だし、我らが赤部橋高校サッカー部の不動のエース。
ちょっと俺様な性格に問題ありだけど、女子的にはそれもアリだとかで、正直言ってモテる。
『お前が電話なんて珍しいな?。何の用だよ?』
「明日、飯行きませんか? 部活の後で」
『お♪ いいね?。よく行った駅前のラーメン屋どうだ?』
「じゃあ…そこで。部活終わるまで待ってますね」
そう言って電話を切った。
達海さんはよく可愛がってくれてた。部活を辞めてからは疎遠になってたけど、いまでも憧れの先輩だった。
「なんで、達海さん…なんだよ」
あの子の想い人が、憧れの先輩でなければ、
「達海さん、あんたじゃ…憎いって思えないじゃんかよ…」
「ふぁああー」
翌日。
寝不足の目を擦りながら、2―Cの教室に向かった。
結局、一睡もしてねえや。
達海さんを呼び出したものの、何を話せばいいのかわからない。
「よっ、黒澤!」
階段を登り二階に辿り着くと、俺を呼ぶ声がした。
声をかけたのは菊地だった。
「なんだよ。びっくりした?」
いつも下ろしている髪を今日は結んでいて、珍しいポニーテールに思わず目が行く。
「驚かそうと思って♪ 黒澤待ってたんだー!」
「ふぁあ…そりゃご苦労さん。早く来たんなら勉強でもしてろよな?。バカなんだからさ♪」
「あ!またバカって言ったー! バカって言うほうがバカ!」
「はいはい♪」
菊地がファイティングポーズを構えて、俺にパンチをするフリをする。
「お二人さん仲ええな?♪」
肩をポンと叩かれた俺が振り返ると、3年の増田有華先輩がいた。
声を掛けられたことはなかったが、2年の男子の間でも絶大な人気を誇る増田先輩は有名人だった。
「あ、有華先輩♪」
「これ、あいつに渡しといて♪」
増田先輩は手紙を菊地に手渡すと、2年の廊下を通って3年側へ向かった。
もちろん、みんなの視線が集まる。
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