Roots --あたしが私に還るとき
みぅ
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肩書なんて。あたしはあたし、だ。そんなものあたしには必要じゃないし、貴方にだって求めない。
心なんて。いずれ変わりゆく不確かなものに縋り付くのはまっぴら。形あるもののほうが、わかりやすい。よほど助けになるし、役に立つ。お金や顔や服やクルマ、そしてカラダ。
そう思っていた。
◆
唯一、肩書が効力を発揮する場面がある。よく知らない他人に初めて逢ったときだ。
例えば今、貴方と出会った『みぅ』という一人の女。自らの恥ずかしい過去を此れからさらけ出そうとしている女。それを読んでくださっている貴方への自己紹介…。
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