崎宮事件解決事務所
崎宮事件解決事務所
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ここは都内某所の雑居ビル。そのビルの三階、他と変わらないドアに掛る、近頃珍しい木の表札には『崎宮事件解決事務所』と書かれていた。さて、そのドアの向こう側…
「はぁ?っ」
ソファーに座り、前にある机に足を乗せて新聞を広げる若い女性。今のため息は、この女性から発せられたものだ。
「世間は事件だ事件だ賑やかなのに、何で私たちのところには全く依頼が来ないのかしらねぇ」
新聞を乱暴にたたみ、机に放り投げた。その顔立ちは20歳前後に見え、鼻に掛けた眼鏡がそれにアクセントを添えている。この女性がこの事務所の所長、『崎宮 奏恵(さきみや かなえ)』その人である。
「事件が増えたからって、仕事が増えるとは限りませんよ。お待たせしました、昼食のフレンチトーストです」
隅にある小さなキッチンから、皿と牛乳を持ってきたこの青年は『李碧(りへき)』。この事務所の住み込みメンバーで、年齢は19歳。室内事務を担当している。ちなみに、奏恵は所長なので仕事は特に無い。
「ありがと。毎度毎度ごめんね、世話かけちやって」
「いえいえ、これ位お安い御用ですよ。料理は好きですし、得意ですから」
「そう?ならありがたくもらおうかしら。いただきまーす」
奏恵がトーストを口に含んだ瞬間、背中を向けていたドアが勢いよく開いた!!
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