ちいさな悪魔の小さな絵
ちいさな悪魔の小さな絵
折原浩平


1ページ目

この高く高い空に思いを馳せる。
低く深い大地に想いを捧げる。


この矮小な命の価値はこれほどに小さく、輝かしいものであると。

ー教えてくれた。

アナタは僕の家族。
アナタは柔和な父。
アナタは優しい母。
アナタは明るい姉。

抱き締めたい。
感謝したかったんだ。
普通の子らがそうするように。
「産んでくれて有難う」
「育ててくれて有難う」
そんな当たり前を言葉にしたかったんだ。

だから描かなければいけない。
もう伝える術は何一つ残ってはいないけれど。
僕は僕に出来る全ての事をしよう。

それはいつかの約束。

お気に入りの黒がキャンバスを浸していく。
安らぎと、安息と。
停滞と、虚無。
まるで母の胎内のように感じられるから。

漆黒の空に星々を散りばめて僕は祈る。


満天の闇に、僕は祈る。

次→
最新
採点
戻る トップへ
総合テキスト投稿&無料HP作成
(C)Chaos-File.jp