生きた証
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とある朝の出来事。普段と変わりない日常の始まり。
カンカンカン…!
「起きろー。新学期早々、学校遅刻するぞ!」
俺の名前は橋田拓海。近くに在る県立第一高校の3年生に今日からなったばかりだ。
そんで、俺のベッドで堂々と寝てるコイツは杉本賢。俺と同級生と言うか、幼なじみだ。
つい2日前になるが、杉本が突然家に来た。その勢いで「泊めてくれ」なんて言われた。理由は聞かなかったが、たぶん家出か何かだろうなぁ。
家出してるくせに、学校には行くって言い張っていた。おかしな奴だよ、全く。
「そんな話は置いといて……」
大きく肺を広げて、ありったけの空気を吸い込んで。
「ハァ?、起きろー!」
「……!!ハイ?なんだ、どうした?」
あぁ、朝の仕事が1つ増えた気がするよ。
「は?い、おはようございま?す。朝メシ食べるぞ?」
「あぁ、そうか。わかった」
「お前、もしかして朝弱い?」
「そんな筈は無い」
嘘だなきっと。
ひと段落ついて、ただ今お食事中。ご飯にみそ汁に目玉焼き。もちろん俺が作ったメシだ。
「1つ聞いてみていい?」
「いいぞ。何だ?」
「いつまで家出する気なん?」
「さぁな。もしや迷惑か?」
いいや。決してそんな事な無いな。むしろ毎日が楽しくなりそうだよ。
両親が亡くなってから、自分でも解るくらい暗かったしなぁ。
ふと、昔を思い出している事に時間を忘れ杉本が話し掛けて来たことに気付かなかった。
「おい。どうした?」
「あ、いや何でもないよ。それより急がないと遅刻するぞ」
「あぁ、そうだな」
今の俺は幸せだと思っていた。恵まれていると思っていた。
しかし、それは偽りだった。確実に不幸に向かっていた。
そして、俺の1番身近な人が影で俺を助けるべく、努力しているなどとは知るよしも無かった。
俺は何も知らぬまま、不幸と現実が交錯する日常へと歩き出す。学校へと足を向ける。
いつもと違い、杉本と一緒に歩いて行く。
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