生きた証
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「……ッ!」
体中が痛い。体の至る所から悲痛の叫びが聞こえる。
足が動かない。
腕が挙がらない。
目を見開いても、黒いだけで、何も見えない。
鼻はまだ生きているらしい。が、嗅ぐ度に血の匂いしか感じる事が出来ない。
死ぬ。それだけは何故か解る。しかし、死に対しての恐怖心が無い。これから死ぬと解っている筈なのに、全く死が怖く感じない。
気付けば誰かの気配を感じる。きっと、俺の側にいる。何となくだが解る。
すると声が聞こえてきた。どうやら耳はまだ健在なのだろう。しかし、声以外は何も聞こえない。
そして、ほんの一瞬だけ考える。ここが何処がと言う事を。
思考を止めた俺は困っていた。誰かが話しているのは解るのだが、言葉が聞き取れない。もしかすると知らない言葉なのかもと想う。
その誰かの声を無視して、俺は口を開く。ただ一言、ポツリと吐き捨てる。
「………」
死ぬ寸前の俺の声なんて、聞き取れない程に小さいのかもしれない。むしろ、声にすらなって無いのかもしれないだろう。
でも、俺はもう満足だ。人生の最後に遺言と言う名の言葉を残せたから。想い残す事は何も無いだろう。
俺の人生の役目を終わらせ、気持ちだけでも目を閉じた。そして、永遠の終わりが訪れる。
俺は心の中で優しく微笑んでから、永い眠りに墜ちた。
これが、俺の人生の終わりだった。
そして、現在……。
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