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カオス・ストーリー23
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?Ploroge?

アパートの階段からカンカンカンッっと音が響く。
このアパートは築52年の格安物件で、周囲の地域と比べても見劣りしてしまう程の廃屋並のものであった…。
部屋はそれぞれ2LKであり、玄関に入りキッチンとリビングがあり、奥に襖で区切れる六畳間が二つ並んでいるだけの簡潔的なスペースしかない。
だが、格安物件であるから学生や社会人共に住んでいるのだ。
近くには公園もあり、環境は驚く程に恵まれているのだ。

そんなアパートから美味しそうな匂いが漂って来た。
「そろそろお母さんが帰って来るかな??」
時計を横目で見ながら、彼女はキッチンで作っている味噌汁の味見をした。
「うん!我ながらバッチリ」
と、ガッツポーズをした。
「あっ、いっけなーい!!ビデオの予約頼まれていたんだっけ」
と、近くにあるテレビのところでチャンネルを回す。
「女は花の様にって美容番組とっても、何にもしないのに無駄じゃないかな??」
デッキにビデオをセットし、録画する。
ピンポーン・ピンポーン
後ろで音がする。
「はいはーい。今いきますよー」

ドアに近付き、覗き込み穴から相手を見る。
「知らない人だな?」
小声で言ってチェーンを掛けドアを開ける。
「どちら様ですか??
なんかのセールスなら間に合ってますよ。」
相手は男で短髪にジーパン・Tシャツとラフな姿。
「お母さんいるかい?」
「まだ帰って来てませんけど、何か用があるんですか?」
男は困ったように頭を掻きながら
「そうなのか?。大切な話があるから来たんだけど…。」
「もうすぐで帰って来ると思いますので、中で待ちますか??」
母の知り合いと思い、招き入れようかと考えたみたいだ。
「いいのかい?」
「はい、じゃあ今チェーン外しますので一回閉めますね」
ドアが締まる時一瞬だけ男がニヤけたのを彼女が見る事は出来なかった…。


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