変態の彼 拒めない私
変態の彼 拒めない私
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トイレを出て、壁にかけられた時計を見るとすでに3時を回っていた。実に1時間もトイレに入っていたことになる。
(こんなのバレてるに決まってるよ…)
秀司に手を引っ張られ、レジの前までやって来ると漫画を読んでいた店員が顔を上げた。
「お、もう終ったのか?」
(……え?)
「ああ、楽しめたよ。ありがとな。」
(…えぇ?)
「気にすんな。また使いたくなったらいつでも来いよ。まあ、俺がシフトの時だけだけど。」
(ええぇぇ?)
これって…ひょっとして…まさか…
「あの…秀司…し、知り合い…?」
「そ、小学校の頃からの大親友。頼りになる奴で今回も協力してもらったんだ。」
秀司が親友と呼ぶ店員はレジから出ると自動ドアの方へ歩いていく。
(あれ?)
店員が前に立っているのに自動ドアが開かない。店員は手動でドアを開けると上に手を上げた。
パチン
スイッチの音がすると共に自動ドアが動き始めた。
そして店員は表に出ると自動ドアに張ってあった張り紙をはがした。
「ドアの電源を切ってな、コイツを張っておいたんだ。」
店員が見せてくれた張り紙には
『都合によりしばらく店内に入れません。ご迷惑をおかけします。』
と書かれていた。
「でもいいのか、こんなことして?」
「構わね?よ。どうせこの時間帯は暇だし。」
会話を続ける二人をよそに私は呆然としていた。秀司が大丈夫って言ってたのはこういうことだったのね…
秀司と話していた店員が私の方を向いた。
「一つだけ忠告しとくよ。コイツと一緒にいると苦労するよ。」
店員の言葉は身に染みるものだった。
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