MATURE?危険な子供たち?
あも
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―チャイムの音が鳴り響いた。
その音色を聞いて、急いで校門に駆け込む子もいれば、諦めたようにトボトボと歩く子もいる。
昔は赤と黒が定番だったのに、今や色とりどりのランドセルが鮮やかに教室に掛けられている。
―小学校。6歳から12歳までの少年少女が通う場所。
1年生はまだまだ幼児みたいなものだが、6年生にもなると高校生と言っても通用しそうな、大人びた子が多い。
―この場所で成長するのは外見だけではない。身体が成長する分だけ、複雑に心も成長する。
特に異性に対して、妙に潔癖性になるのもこの時期だ。
このクラス―6年1組も例外ではない。お互いに凄まじい程の興味を持つがゆえ、反発しあっているのだ。男子は女子を下品な言葉で罵り、女子は男子を毛虫のように毛嫌いする。
結果、クラスがものの見事に男女真っ二つに別れてしまっているのだ。
しかし、最近その危うい均衡は、クラス中が一人の少女を虐げることによってなんとか保たれている。
「わっ!『杉菌』が来やがった!!」
その少女が登校するだけで、教室にいる男子が野次を飛ばす。一方女子は見てみぬフリ。無視だ。
『杉菌』と呼ばれた少女―杉園美佳はたいして気にも止めていない様子で、悪口をあっさりと無視する。
無表情なまま自分の席に着くと、静かに一時間目の用意を始めた。
美佳はもともとクラスでも浮いた存在だった。
仲の良い友達はいないし、いつも一人で行動している。
最初の方は、何人か美佳に話し掛けていた。『一緒に給食を食べよう』だとか『一緒にトイレに行こう』だとか。
美佳は根本的に人とベタベタつるむのが嫌いなようで、そういう誘いは一切断り、冷たくあしらってばかりだった。
今は、美佳に話し掛けてくる子はいない。
これが女子から無視されている理由だ。
男子がいじめる理由は違った。
一匹狼で孤独な雰囲気を纏った美佳は、小学生から見ても十分に魅力的である。
近寄りがたいものの、美佳は男子の憧れの的だったのだ。
しかし…
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