囁き

まみこ

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カオス・ストーリー23
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ー奈津美が自殺して丸3ヶ月が過ぎた。
奈津美は・・・周りの雰囲気はどう変わったのだろうか
あたしには全く分からなかった。

もちろんお葬式には私達のクラス全員行ったし、奈津美のことを思う気持ちはみんな大きかっただろう。
 
 教室の奈津美の机には花が飾られている。漫画でよく見る風景だ。実際には見たことがなかったから 奈津美の机を見たときは 背中がぞくっとした。ここで初めて「奈津美はもうこの世にいない」ということを真から分かったような気がした。

 いつも通り授業が終わり、みんなの明るい声が教室に響く。
「今日どっか寄ってく?」  
「部活に顔出してくるー」
どのクラスでもこういう会話は一回はあるだろう。3ヶ月も過ぎれば クラスの一人がいなくなってもまたいつも通り 学校に来て、授業を受け、放課後には友達と帰る。そういう生活ができるんだ。
 しかし、私は今日 なんとなくクラスの全員が教室を出るまで席に座り、そこを動かなかった。奈津美がいないと一緒に帰る人がいても楽しくないものだ。
 
 教室の前黒板の丸い掛け時計。時間が刻々と過ぎていく。
それでも私はまだ帰ろうという気持ちにはならなかった。
 なんとなく、ふと奈津美が前使っていた机に目をやった。もう、あそこで授業を受けていて、時々 3つ斜め後ろの私に手を振ってくれた人、奈津美はもういないのだ。

 そういうことを思っていたとき、あることに気がついた。
奈津美の 花が飾られている机・・・椅子と机が離れてる・・・?あそこには3ヶ月前から気味が悪いといって誰も触ってていなかったはず。いや、その前に、今日の朝はちゃんと椅子と机は整頓されていたような。
  (誰が今日動かしたんだろう・・・)
そのときはなにも思わなかった。なにも・・・

わたしはやっと席を立ち、帰ろうとする前に 奈津美の机と離れた椅子を直そうと思い、椅子に手を掛け 軽く力をいれた。
  ガタッ・・・       ( あれ?)

一瞬、椅子が重く、動かないような感覚がした。
 誰かが座っているような・・・そんな感じがしたのだ。


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