先輩と同級生。

ひつこ

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カオス・ストーリー23
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嘘つき。

最低の嘘つき。




学校を休んで今日で4日目。
学校を休めばいつもメールがくる。
先輩、それに…マチから。

「大丈夫?」
「早く治してね」
「ゆずいないからヒマだったよ?」


そんな言葉は、今はもうない。
4日前、失ったから…

ベッドの中で静かに方を震わせていると、玄関で話し声がした。



「ゆずー、お友達がみえたわょ。」

 お友達…?

カチャ…

ゆずはふとんから顔をだした。するとそこにいたのは…


「…神崎…」
「…久しぶり。なんとなく連絡しづらくて…来ちゃった。迷惑だったかな」

4日ぶりの神崎の姿に、涙が出そうになった。

が、堪えてこう言った。

「ううん…嬉しい……ありがと…」
「あ、これ学校のプリント。4日も休んでっから宿題とかちょ?たまってんぞ!」
「嘘!最悪…」
「ってかお前痩せたな!」
「マジ?やったね」

他愛もないような、話になりそうだったが、神崎によってそれは実現されなかった。暫くの沈黙の後、神崎が口を開いた。



「…マチのことなんだけど」

一瞬、ゆずは針で刺されたような痛みを感じた。

「あいつも学校休んでんだよ…」


…ドクン…

「そっ…か…」


堪えたはずの涙が溢れ出した。

自分のせいで、マチが苦しんでいる。今、それを実感したのだ。

 なんで…こんなことになっちゃったのかな…

「ゆず…っ」



神崎はたまらなくなって、ゆずの小さな肩を思いっきり抱き締めた。

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