先輩と同級生。
ひつこ
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見られた…?
でもでも、ちらっとしか人っぽぃの見えなかったし…
…でも、声が聞こえてたら…???
「あ゛ーっもぅ!先輩のバカッ!だから校内はヤだって言ったのょー!!!」
あたしは、篠原ゆず、高校一年生。彼、先輩こと菊地凌とは、体育祭のチームカラーが同じで、知り合った。そして、あたしが先輩に心底惚れて、告白して―…一か月前、晴れて彼氏彼女の関係になったのだ。
そして今日、ついさっき…初Hを迎えようとしていたのに…
「あぁ?、もぅどーしょ…みんなにバレたら明日から学校行けないょぉ?…」
ゆずは頭をかきむしりながら廊下をとぼとぼと歩いていた。
一瞬のことだった。
何者かが、ゆずの腕を引いた。
「…っひゃ?!」
ドサッ…
勢いよくゆずは尻もちをついてしまった。
「あいたたた…も、何?!」
「よう、篠原。」
「か…っ神崎?!」
―神崎なつの。ゆずと同じクラスの男子で、目立つグループにいる。女にモテるが、良い噂は聞いたことがない。
そんな神崎を、ゆずはあまり好いてはいなかった。
「なんでこんな時間までいるのよ…部活もやってないくせに…」
「やー俺としたことが居残りだよ、居残り!期末が5点でさー、このままじゃ進級させられん!とか言われたし!!!」
良く喋る男だ。先輩はもっとクールでかっこぃぃのに…同じ男でもこうも違うのか、ゆずは思った。
「あっそ…じゃあね。あたし帰るから。」
「ちょっと待て。お前こそなんでこんな時間までいるわけ?」
ゆずの頬に冷や汗がつたう。
「と…図書室で調べものしてただけよ…!」
…バレた…?!…もしこいつにバレたらみんなに言うに決まってる…!
ドク…ドク…
「あっそ…ふーん…じゃあな。俺も帰るし。」
ホッ…ゆずは胸をなでおろした。
「じゃ…じゃぁ」
「…なーんちゃって☆」
グィッ
「な…何?!」
神崎はゆずを壁に押さえ付けた。
「「じゃぁ」じゃないよ…篠原…さっきまであんなに色っぽい声出してたくせに…」
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