真冬のこいびと
真冬のこいびと
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コーヒーの香りと幸福な感じに包まれながら、窓から外を眺めていたら、ポインセチアの鉢を大事そうに抱えながら足早に歩く彼が見えた。
彼は喫茶店に入って私の姿を見つけるとすぐに、 「お待たせしてすみません。」
と、申し訳なさそうに笑い、私の向かいの席に腰掛けた。彼が来ただけでこの喫茶店の中がますます温かく思え、窓の外の寒さが際立った様な気がした。それは私が恋愛中だから、というのが大きいが、それだけではなく彼の雰囲気が私にそう感じさせたと思う。
「ううん。大丈夫。」
私は思わず笑顔になった。
さっきの彼女が水のはいったグラスを一つ持ってきて、私のグラスにはなみなみと水をついでくれた。
「すみません。ミルクティー一つ。あ、吉岡さんは?」
「じゃあ、コーヒーをもう一杯。」
「かしこまりました。」
彼女は軽く一礼してカウンターに戻っていった。
「僕コーヒー駄目なんですよ。苦くって。」
そう言って苦笑する彼は、とても若々しく、初めて会った時のような大人びた印象は見受けられなかった。かといってチャラチャラしているわけでもなく、彼に幻滅したとか、印象と違ってがっかりした、なんていう事はなかった。
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