娘
娘
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『ジリリリ……』 淡いグリーンを基調とした部屋。
一人用のベッド。大音量でわめく目覚まし時計を、
必死でとめながら、安部なつきは、目をさました……。
「げっ、今日から休みなのに……、目覚まし……、消し忘れた……、最悪」
朝の7時30分、二度寝をする気にもなれず、
ベッドに腰掛け、メールを確認する。
「わ、サヤカから、メールがきてる……」
それは昨日の夕方届いており、
もうすぐマキのマンションに着く、といった内容だった……。
(サヤカ、元気かな?)
安部は、思いながら鍋に
牛乳、砂糖を加え火にかけ、紅茶の葉を入れる。
トースターにクロワッサンを入れ、スイッチを押す。
部屋に良い香が漂い、一日の始まりを安部に告げる……。
「ふうっ……」朝食後、洗顔等をすませた安部は、キッチンのイスに座る。
途中まで読んだファッション雑誌を開きゆっくりと読む。
(10時になったら、サヤカに電話してみよう……)
そんな事を思う。 9時30分、電話がなった。
イスに座ったまま軽く、うたたねをしていた安部は、
驚いて携帯を手に取る。
「もしもし、安部……」まだ話始めたばかりなのに、
電話の相手は大きな声で話を始める。
「あ、ナッチ?あたし、あたし、まりっぺだよー。
寝てたー?ねえ、今日さー、」
電話をかけてきたのは、矢土マリだった。
テンションが高い……。
一時間程、話をしただろうか……。
内容は、マリの家に遊びに来て、という事だった。
他のメンバーも集まるようだ。
安部は、マスカラをつけた後、薄いピンクの口紅、ファンデーションを塗る。
最後にオレンジのチークをつける。
軽く光沢のあるグリーンのワンピース、オフホワイトの薄いコート、
髪をとかし、ゴールドのピアスを付け、茶色のロングブーツを履く。
準備をすませ、愛車の青いプジョーに乗ったのは、11時30分頃だった。
サヤカの携帯にかけるが、電源が切れているのか繋がらない。
(まぁ、夜でいいか、サヤカも忙しいだろうし……)
薄いブルーのサングラスを着けて、
20分程、プジョーを走らせる……。
あと少しで、マリのマンション。
信号待ちの間に、到着する事をメールで送る。
送信した後で、カーラジオのスイッチを入れる。
車内にゆっくりと、流れだすメロディー。
ビートルズ、『レット・イット・ビー』
ラジオに合わせて歌いながら、車を走らせて行く。
曲が終わり、数分後、
マリのマンションに着くと、
マリが駐車場を指さしながら、立っていた。
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