娘
娘
闇の案内人


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(ごめんなさい……レエルさん……私)サヤカはゆっくりと目を覚ました。広く白い部屋。(マキ、ナッチ!)辺りを見回す。安部とマキは隣で眠っている様だった。腕が痛い。見るとロープで手を縛られている。

「起きたね」
男の声。

「サヤカ、昔のメンバーなのか……」言いながら男は、注射器をテーブルに並べている。

「何を、するつもり」恐怖、怒り、言葉が上手く出ない。薄笑いを浮かべたまま男は注射器に透明な液体を吸い込む。

「まず、サヤカからね」注射器を持ち、近づいてくる男。そのドロリと濁った目。あまりの恐怖に嘔吐感がこみ上げてくる。

「動くなよ」言いながらサヤカの腕を握る。ロープに縛られて血管の浮いた、サヤカの白く細い腕。

「やめ……やめて」必死に逃げようともがくが、男の腕にがっしりと固定され動けない。アルコール綿で消毒され、その部分に針がゆっくりと差し込まれる。

「イヤ……嫌」少し血が逆流し、シリンダー内が赤く染まる。
ゆっくりと押しこまれる、赤く染まった液体。そして、針が抜かれた。一瞬、体が震え心臓の辺りに鈍い衝撃が走ったような気がした。次の瞬間には、目の前に薄いモヤのようなものがかかり、甘い衝撃が体に走る。

「サヤカ……、いい表情だよ」
男の笑い声。(嫌だ、こんな)「サヤカ、もう僕のモノだよ」言いながら、頬を舐めてくる男。それだけで達しそうになる程の快楽があった。(レエル……さん)解かれる腕。(堕ちちゃう、私)

宴の終わり?

男の手が、胸を撫でる。サヤカを襲う嫌悪感。しかし、耐えがたい程の快感。

「あっ、あ、イヤ」(気持ちいい、イヤ)「たまらないだろう?サヤカ」言いながら、キスをしようとする男。必死で顔を背ける。その時。『ガンッ!』大きな音を立てて部屋のドアが開く。(何?)目をドアに向けた時には、もう終わっていた。投げられた包丁が右手の甲に刺さり、うめいている男。その顔を蹴り上げる足。

「屑が」レエルの低い声。
うめきながら崩れ落ちる白人の体。その髪を掴み、顔に膝蹴りを入れるレエル。崩れ落ちた男の両手を掴み、素早く折る。『ゴキッ……』鈍い音が部屋に響く。ドアが開いて一分も経っていなかった。床に落ちてあった銃を拾い撃つレエル。『プシュッ、プシュッ』軽い音が響き、床には両足を撃ち抜かれ失神している白人が転がっている。

「レエルさん……」呼びかける。

「遅れました。すいません」冷静な、安心できる声。サヤカは抱きついた。
よろよろと抱きついて、唖然としているレエルにキスをした。全身を満たす安心感……。胸に両手を回す。(細いけど、すごい筋肉)レエルから匂う血の香り。

「ごめんなさい……、私」言いながら、またキスをしようとしたその時。

「サヤカ、ラブシーンは後よ」聞こえる笑い声。ドアに中澤ヨウコが立っていた。レエルもかすかに照れながら離れる。

「一応、任務終了です」レエルの声。

「まあ、結構これからも大変だけどね」返す中澤の声。
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