あもトイレ・愛の名作劇場 ?mari qui estime sa femme?
あもトイレ・愛の名作劇場 ?mari qui estime sa femme?
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ともあれ、それが彼との出会いだった。現在に至までの細かい経緯を話すのはよそう。好奇心を掻き立てられるような面白いエピソードなど、何一つない。世間一般の恋する乙女に何一つ変わりなく、普通に告白し続けただけだ。断られても断られても、何度だって。
だけど、なぜ彼のような愛妻家が、一回り以上も年が違う、ホステスあがりの私と関係を持とうと思うようになったのか、疑問だろうから、これは特別に教えておこう。
私は、彼に言ったのだ。“浮気”なんてしなくていいと。人間として芽生える愛情は全て奥さんに注げばいい。私には何の情も掛けなくていいと。
また、こうも言った。
私は、例えるならあなたにとって“朝食”のような存在であればいい。あなただって男でしょ?いくら奥さんに貞操を誓っても、本能的な性欲は絶対に消せない。きっと毎日辛くなるわよ。そんな時は私を使って。私は、一日を快適に過ごすために食べるあなたの朝ご飯よ。朝ご飯だもの。メインディッシュにはならないでしょう?
この理屈が通ったのか私のしつこさに根負けしたのか、ついに彼は私に妥協案を呈出した。
私に、愛人稼業をしろと。彼との関係を築くことによって生計を建てろと言うのだ。お互い、利益の生ずる割り切った関係なら奥さんへの言い訳も立つと、彼は苦い顔をして言った。
つまり――悪い言い方をすれば‘売春’。正義感の強い彼がもっとも忌みそうな怠惰な関係の契約だ。社会的に許せる行為では、決して無い。それなのに私は言わせてしまったのだ。陸上自衛隊第一佐のエリート、厳格で真直ぐで不器用で、そしてどうしようもなく優しい彼に、そんな、酷な事を。
涙が止まらなかった。私の想いがここまで彼を追い詰めていたなんて。もっと、彼は決然とした冷酷な人間だと思っていたのだ。だから私も、これまでの哀れな経験に託けて、包み隠さず告白していた。いくら言っても彼は靡いたりしないと心のどこかで油断していたのだ。かなり矛盾した油断なのだけれど。
‘中学にもろくに行かず’‘気付けばクラブで水商売をしていた’‘両親には勘当されて’‘私には居場所が無い’。‘男はみんな、身体目当てで私に近づいて’‘でも私も寂しいから身体を許して’‘こんなに誰かを愛せたこと初めてなの’。‘性欲処理器に使っていいから’‘私はあなたのそばにいたいの’
‘一緒にいれるだけでいいの…’
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