痴女のさまよう映画館
痴女のさまよう映画館
闇の案内人


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8月も終わりに近づいた平日のある日、私は会社のお休みをとり、計画を実行することに
しました。平日を選んだのは観客が少ない方がいいのと、女性が成人映画館に一人で入
るのを他の人たちにあまり見られたくなかったからです。私が向かった映画館は上野にある
オークラ劇場でした。平日の昼間であり、忍ばず池側から入る事により人目に触れずに入
館することができました。この映画館は女装の男性が出入りするというウワサを聞いていた
ので、チケットを渡す時にも館の人に白い目で見られることもありませんでした。初めて入る
成人映画館にドキドキしていたのを覚えています。

2階席を選んだのは、そのほうが人も少ないだろうと思ったからです。さすがに男性のための
映画館ということで館内は汚らしくナンカ変なにおいが立ち込めていた気がしました。この日
の私のいでたちは、黒のサマーセーターに黒のタイトスカートと全身黒ずくめの格好で、場内
でも目立たないようにとしていました。扉を開けて場内に入ると、スクリーンいっぱいに男と女
が交わりあっているシーンが目に飛び込んできました。そして、目を凝らして場内を見回すと
7?8人の観客がいるのがわかりました。私はさっそく好みの男性を後姿から探し出し、見つ
けるとそっと音もなく斜め後ろの席に腰を下ろしました。男性は後ろから二列目の席に座って
おり、30代後半といった感じでした。

前の席と間隔が離れているので身をのり出さないと様子を窺うことはできませんでしたが、あ
きらかに男性の肩の動きは、自分のものをしごいているようでした。私は他の客に気づかれな
いように、さりげなく身を前にのり出し男性の行為を見ることができました。
初めて見る男性のその行為は、まるで別の生き物をおなかの上に乗せ、いとおしむかのように
手首を動かしては、いろいろな速度で刺激を楽しんでるかのように見えました。興奮して見入
っている私は、急に人の視線を感じそちらに目をやると、男性客が私をいぶかしげに見つめて
いました。私は姿勢を正し、そ知らぬ顔でスクリーンの方を見ました。しばらくして、私を見てい
た男性客が席をたったので再び、前の席の男性の行為を見ることに興じました。いよいよ映画
のクライマックスシーンとなり、男性の手の動きもリズミカルとなり、発射の瞬間を迎えているのが
わかりました。足が硬直し、男性自身を前に傾けたかと思うと、激しい手の動きとともに、数回
に分けて白い液が前に飛び散るのがわかりました。気が付くと私はスカートの上から股間をおさ
えていました。なんともいえない満足感を覚えた私は、続きの自己処理をするためにトイレへと
向かおうと席を立つことにしました。ふと見ると先ほど私を見つめていた男性客が、後ろの壁に
もたれて映画を観ていました。私はその前をそそくさと通り抜け、トイレへと向かいました。

 そのあとこそが、私にとって忘れられない異常なできごとの始まりだったのです。
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