当直室で
当直室で
舞


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私と先生の関係は、あの日、1回限りです。
でも、実習へ行ってもなんだか心強くて、主任にいびられても泣くことはなくなりました。
そして、あっと言う間に実習期間が終わり、次の病院へ実習に行くことになりました。
病院付属の看護学校ではないため、近くの国公立の病院を3つ掛け持ちして実習をするのです。
実習最後の日、病棟で山下先生に会いました。

「先生、私今日で実習が最後なんです。この病院に来るのは、半年後のOP室実習だけです。色々ありがとうございました」
そう言って挨拶すると、
「ちょっと待って…ハイ、これ俺のケータイだから、またかけておいで。今度食事に行こう」
と言ってメモをくれました。

2,3日してから先生に電話をかけ、デートの約束をしました。
デートと言っても、昼間から腕を組んで街をブラブラする、そんなデートでないことは分かっていました。

待ち合わせは夜。
食事をして、その後は…私でも簡単に想像できます。
[つきあってもいない人とエッチなんて]って思ってた私だけど、先生とならいいかな?、なんて思いはじめていました。

約束の日、待ち合わせの時間に少し遅れて、先生は到着しました。
派手でも地味でもないけど、好感のもてる清潔な服装で、BMWに乗ってきました。
わざわざ助手席のドアを開けて、「どうぞ」と私をエスコートしてくれます。
若い男の子がすれば、「何格好つけてんの」と笑ってしまうところですが、
山下先生がするとすごく自然に思えるから不思議です。

初めて乗る高級車はシートが皮張りで、ふかふかしてすごく乗り心地がよかった。
高速にのると夜景が綺麗でした。
海辺にある、一流ホテルのレストランに連れていかれました。
中庭には美しくライトアップされたプールと噴水、南国風の植物。
イタリアンのフルコースを食べ、ホテルから出るとデートスポットでもある港に出ました。

少し時間が遅かったせいか、カップルはまばらです。

「あそこ、座ろうか」
と肩を抱かれ、ベンチに腰掛けました。
先生の左手は私の腰に回され、右手は太腿を撫でます。
「マキちゃん、かわいいね」
そう言って髪を一撫でされると、もうダメ。
レストランで飲んだスパークリングワインと、この雰囲気に私はすっかり酔っているようです。
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