穂乃香の長い土曜日・後編。
穂乃香の長い土曜日・後編。
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頭の中で友人達の甲高い笑い声が響き渡る。その度に途方も無いぐらい大きなイライラとモヤモヤが生まれ、穂乃香の痛いげな心に蓄積されていった。
「もー、優、新城先生だいすきぃっ」
―離れてよ。
「わあっ先生の腕の筋肉すごぉい!触ってもいいですかぁ?」
―は?触らないで。
「新城先生の手、おっきくてあったかいですねっ」
―あぁ、ウザい。何やってんのよ。
「ホントにあたし先生に憧れてるんです!かっこいいんだもん」
―黙ってよ。消えてよ。
やめて…やめてやめてやめてやめて……っ!
先生は、私の…っ
私の……
「新城先生、また遊びに来ていいですか?今度は勉強抜きで!」
「あぁいいよ。いつでもおいで」
―プチッ…
「…あれ穂乃。どうしたの?」
穂乃香は無意識のうちに立ち上がって皆を見下ろしていた。さっきまで足に力なんて入らなかったのに、嘘のようだ。
何かが切れた。それだけはわかった。
苦痛極まりないこの場所から逃げだしたいという気持ちが、ついに身体で現われたのだ。穂乃香は自嘲気味に笑う。
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