穂乃香の長い土曜日・後編。
穂乃香の長い土曜日・後編。
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―「おじゃましましたぁ!」
「新城先生、今日は本当にありがとうございました!」
茜日が窓の隙間から差し込む頃、後ろ髪を引かれる思いで少女達は先生に別れと、有りったけの感謝の言葉を述べた。
「いいよ。気を付けて」
先生は玄関の扉を押し開け、穏やかに微笑みながら皆を送り出す。ゾロゾロと外へ出る友人達の背を見つめながら穂乃香は安堵の息を吐いた。ようやく、長い一日が終わったのだ。途中、ハプニングもあったが、総合的に見れば何事もなかった、と言えるであろう。
「―っ!?」
腕を掴まれた。一番最後を歩いていた穂乃香が一歩外へ出た瞬間、何者かが素早く彼女を玄関へと引き戻したのだ。犯人は、決まっている。
騒がしい外の空間を遮断するように、パタンと扉が閉められた。狭い下駄箱には穂乃香と、“新城先生”の役目を終えた先生だけが密着していた。
「お前は、居残り。」
ニヤリと笑う先生に、今度は穂乃香が照れたような笑みを零した。
―嫉妬深い優達に、このことがバレたら大変な騒ぎになる。いつもの穂乃香だったらきっとこの勝手な先生の行為に、狼狽えてしまってるだろう。
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