穂乃香の長い土曜日・後編。
穂乃香の長い土曜日・後編。
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先生が啄むようにキスを降り注いでくる。唇に、頬に、首筋にーー。
「あ…ん…っ」穂乃香はもう何の抵抗も見せなかった。とろけるように甘いキスの雨。薬による物理的な快感とはまた別の熱が萌芽し始める。心地よい快感だった。
――あーあ。また負けちゃった。
穂乃香は自分の甘さを恨んだ。
二度と先生に会わない覚悟をしていたのだ。絶対許すものか、許すにしても、先生が“悪かった”と謝るまで会わないし、ましてや肉体関係なんて持たせないつもりだったのに。
なのにもう、このざまだ。
背徳的で意地悪でーー人間としては最低の先生。
こんな先生と付き合っていても疲れるだけだ。ヒヤヒヤさせられて振り回されて泣かされてーー。良い事なんか何一つない。
なのに…
惚れた弱みというのは、本当に恐ろしい。
そんな先生の最低な面ですら無条件で許したくなるのだから。
愛しく、感じるのだから。
穂乃香は心の中でため息を吐いた。しかし今度は落胆のそれではなかった。嬉しいようなーーそしてちょっと悔しいような、幸せなため息だった。
「ああん…っ!」
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