穂乃香の長い土曜日・後編。
穂乃香の長い土曜日・後編。
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穂乃香も言葉を失った。
わからなかったのだ。先生が謝ろうとしているのは何となくわかるが、疑問点はもっと基本的なところにあった。
“なぜ”謝ろうとしているのか。
先生らしくもないーー例えば、新城先生ならいかにもすぐ謝りそうだし、だいたい彼は穂乃香を怒らせる真似なんてしないだろうがーー先生に限って穂乃香に詫びようとするなんてこと、少なくとも穂乃香にとっては考えられないことだった。
「先生…?」
確かに、許しがたい行為をされた。だがそんなの穂乃香にとっては今に始まったことでない。そして、当然だが、先生が罪悪感に顔を歪めることも、ましてや謝ろうとすることなど今まで一度もないことだった。
――何でこの期に及んでこんな顔をするの…。いつもみたいに軽くあしらわれるかと思ったのに…。
あれ、もしかして…
私が先生から離れようとしたから…?
「…ガキの面倒見るのは、お前一人で充分だ。…何勘違いしてんだよ。」
―先生の精一杯の弁明だった。何とも歯切れが悪く先生らしくなかったが、それが逆に先生の本心を垣間見せた。
採点