穂乃香の長い土曜日・後編。
穂乃香の長い土曜日・後編。
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先生が他に何を狙って自分に薬を与えたのかは皆目検討も付かないが、今のところは何の問題もない。
先生の演じる新城先生は見事なぐらい完璧だし、彼を疑っているものは誰一人としていない。いや、疑う余地がない、と言うべきか、とりあえず穂乃香以外の少女にそんな暇はなかった。
「新城先生ってぇ、彼女さんとかいるんですかぁ?」
「…っ!」―ドキッと鼓動が跳ね上がる。予想はしていた質問だったし、自分は先生の正式な彼女ではない。が、いざ誰かが言葉にして発言するとなぜか狼狽えてしまう。普段通りの“新城先生に興味の無い自分”を貫こうとしていた穂乃香だったが、つい見まいとしていた先生に目をやってしまった。
「いや、いないよ。」
しかし先生は全く穂乃香の方を見る事無くあっさりと言い放った。彼が今“新城篤志”なら多少穂乃香を気にするような態度を取っただろうが、“先生”に至っては、まるで穂乃香との関係なんて無いように、むしろ穂乃香の存在を忘れ去ったかのように、質問してきた少女の顔だけを見つめていた。
「きゃあ?!!じゃああたし、立候補していいですか!?」
「ダメ!あたしが先生の彼女?!!」
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