夏のお勉強
夏のお勉強
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遥は大学二年生。
家庭教師のアルバイトをしている。
彼女は真面目で細身で清純そうな外見。
性格は優しく、いつも笑顔を絶やさない。
みんなから好かれていた。
将来は小学校の先生になりたい…それが遥の夢だった。
だから遥は家庭教師のアルバイトを選んだ。
「ピンポ―ン」 今日は木曜日。
毎週木曜日は高校一年生のたつや君を教える日だ。
真夏の暑い日だった。
黒いスーツは決まりなのでしょうがないが、暑くてしかたがない。
彼女の白い頬や、長い髪の毛をポニーテールにしているから見える綺麗なうなじは、
桜の花びらみたいに、ほんのり色になって、しっとり汗ばんでいた。
「がちゃ」
ドアが開いて無愛想な顔が出てきた。
「こんにちは!たつやくん」遥が笑顔で挨拶した。
「こんちは…」
たつやは無愛想に返した。
たつやはいつも無愛想で無口だ。
この年頃の男の子はそんなもんなのかもしれない。
それに夏休みの昼間っから勉強だし…と遥はたいして気にしてはいなかった。
「あれっ?今日お母さんは?」
いつもは、明るくお母さんが出迎えてくれるのだ。
「今日はかあさん、出かけてるんだよ…」
「そうなんだ?…」
たつやのお母さんは、
勉強中にジュースやお菓子なんかを持ってきてくれたりする。
たつやのお母さんの明るさで、あまり喋らないたつやとの授業も息苦しく感じずにいられた。
それは多分たつやも同じだった。
「さぁ!はじめよっか!」
遥は楽しそうに大きな声で言った。
たつやの部屋の机の前に二人。
遥はたつやの部屋に入る時になぜか緊張した。
それを隠すかのように、いつもどうりを心がけている。
心なしか、たつやも緊張しているように見える。
それにしても暑い日だ…遥はそう思った。
アパートの三階のたつやの部屋から見る窓の外はきれいな青空だ。
遥は上着を脱ぎたかったが、脱いではいけないような気がしていた。
けれど暑い…
「…先生、暑いんじゃないの?上着脱いじゃえば?」
「えっ?」
「だって見るからに暑そうだよ…黒のリクルートスーツ。俺Tシャツだけど、暑いし…」
目をそらしながらたつやが言った。
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