玉の輿奮闘記
玉の輿奮闘記


3ページ目

二人で車内でぐずぐずしていると、黒のスーツ姿の男性が、ゆっくりと車に向かって歩いてきました。

「祐介お坊っちゃま、おかえりなさいませ。」

車をドアを開け、祐介からキーを受け取ると、その人は助手席のほうに回ってきました。
ドアを丁寧に開けてくれたその人を見て、私は目が点になりました。

「はじめまして。
私、この家の使用人の桂と申します。
どうぞこちらへ。」

促されて、車を降りました。

「お荷物預からせていただきます。」

そう言って、私のかばんを持ってくれました。

「・・・ぁ、
ありがとうございます・・・」

度肝を抜かれるとは、こういうことをいうんでしょう、たぶん。
黒スーツの使用人なんて、マンガの世界だと思ってました。

「ほかにお荷物はございませんか?」

にっこりと笑う桂さん。
がちがちに固まる私。
ごくごく日常的な感じで、自分のかばんを桂さんに渡す祐介。
なにかが違う気がします。

「それではお車は車庫のほうに入れさせておきますので、祐介お坊っちゃまと若奥様はこちらへ。」

わ、若奥様って私?
・・・とも言えず、とりあえず祐介と桂さんについて行くことにしました。

「桂・・・
お坊っちゃまはやめてくれない?」
←前 次→
最新
採点
戻る トップへ
総合テキスト投稿&無料HP作成
(C)Chaos-File.jp