ちいさな悪魔の小さな絵
ちいさな悪魔の小さな絵
折原浩平


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見上げれば凍土色の曇り空。
僅かに積もった雪の残滓を踏みしめて歩く。
天然シャーベットの道を僕は歩く。
凍えた吐息と痛む耳朶。
ひび割れた唇に悴む指。
命辛々に明滅する街灯が、夜道を寂しく照らす。

不意に…白く、長い息を吐く。
決して途切れぬように、何度も、何度も。
喉が乾き、手足が痺れ、目眩がした所でやむを得ず断念する。
白いカーテンに包まれた世界はあっさりと本来の色を取り戻す。
それが何だか悲しくて。
もう一度肺一杯に風を捕らえてみたりして、結局諦めて吐き出して。

綺麗、綺麗。
くるくると廻る子供のように笑う事は出来ないけれど。
綺麗、綺麗。
再び降り始めた小さな妖精たちに小さな笑顔を向ける。
綺麗、綺麗。
思考が晴れていく、頬が緩み、鼓動が高鳴る。

両手を広げろ!
歓喜を唄え!
さぁ、踊ろう!

小さな世界の小さな詩(ウタ)だ。
振り付けは彼等が教えてくれる。
僕は白の世界に両手を翳すだけでいい。

それはある日の出来事。
それは誰かと歩いた雪の日の事。
それは軌跡が残した小さな幸せ。



ーソレは白いキャンバスを埋め尽くす詩(ウタ)の群れ。
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