ちいさな悪魔の小さな絵
ちいさな悪魔の小さな絵
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以前から漠然とあった不安は日を追う毎に現実味を帯び、一種の脅迫概念となって僕を苛むようになっていた。
姉のようになれれば、でなくとも両親のような温かな家族を作る事が出来ればと昔は思っていた。
無理だと気付くのには、それ程時間はかからなかった。
結局人に認められない絵では食べてはいけない。
他の仕事に就こうにも勉学に励む気力もない。
情けない。
あんなにも強く美しい両親そして姉に嫉妬した。
キャンバスに映る蒼久の空も、深遠の大地も心を静める事はない。
彼らは好きなようにするといい、と突き放した。
それが優しさからと判るから僕もまたいずれ考えねばならない。
だが今は。
地下の電気を消す。
…しばしの静寂。
逃避のため瞼を閉じ、深呼吸。
イメージする。
これが高校生活最後の作品になるのだ。
気持ちを無理矢理切り替える。
タイトルは決まっている。
テーマは入学式の時から胸にあったものだ。
いや、或いは僕が僕というものを知ったその瞬間からなのかもしれない。
ゆっくりと闇に目を向ける。
電気をつけ、眩しい世界に目をそむけることなく立ち向かう。
筆をとることはまだ無い。
今はただ、輪郭さえないイメージに未来を託した。
採点