ちいさな悪魔の小さな絵
ちいさな悪魔の小さな絵
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姉は思う。
我が家族はどうしてこうも変態ばかりなのか。
自信過剰ではなくあたしは文武両道で剣道全国一、容姿端麗で貰った告白の言葉は数知れず。
性格は姉御肌でお節介焼き、几帳面で融通がきかない。
そんな性格がこうじて一年から生徒(雑務)会役員入り。
三年には生徒(雑務)会長なんて事もやらされたが、殊更嫌ではなかったあたし自信が嫌だった高校生活。
詰まる所あたしも変態だった。
唯一違いはその才能にどれほどの意味も見いだせないこと。
奨学金で大学入り。
気付けば院生なんてやっていたがもはや何をやりたいのか判らない毎日。
偶に我が弟君が羨ましくなる。
馬鹿でのろまで見栄えも悪いが絵を描く意欲に関しては到底あたしの及ぶ所ではない。
生きる意味を知っている。
思春期の餓鬼でもあるまいし悩み続けるあたしよか何倍も建設的。
素直に尊敬する。
そんな一途な弟、それを純粋に応援する摩訶不思議な両親を。
変態。
ホント変態だ。
だからせめてあたしだけはこう言うのだ。
「絵ばっかり描いてるから虐められるのよ」
嫉妬と羨望と激励でもって弟を愛してやるのだ。
あたしは。
ウェーブの掛かった自慢の黒髪を揺らして寒空の下帰路についた。
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