罪と罰?eternal relation?
罪と罰?eternal relation?
小鳩


9ページ目

しかし。


亨の愛撫にどうしても夢中になりきれない。

身を任せれば亨は自分の望む通りに抱いてくれるだろう。


その肉体の繋がりが、精神的な繋がりも埋めてくれるかも知れない。





しかし……――。


紗都は会った時に直感的に感じた“亨の覚悟”を、例えどんな結果になろうとも見逃す訳にはいかなかった。




ブラウスの下へ亨の手が入り込み素肌に触れた時、紗都は口を開いた。



「…ねぇ……」

「ん?」


亨は手を休めることなく、紗都の胸を直接弄る。



「私が来るって…どうして知ってたの?」


紗都は冷静に、最も怖い質問を投げ掛けた。

一瞬、亨の手に力がこもる。



「別に…知らなかったよ」

「じゃぁ……どして、今日あそこで待ってたの?」


再び、まるで亨を責めるように再び問う。



――亨の愛撫が、ピタリととまった。


紗都の中に侵入した手をするっと抜き、紗都を膝上から隣へと座らせる。






「賭けてたから」

沈黙の後、亨は呟いた。




「賭け?」

「帰ってこなかったら……………別れようと思ってた」



「――――」


ついに、亨の口からその言葉が吐かれた。

予想通りの言葉に、紗都の胸はチクリと痛みはじめる。


「ずっと、知ってたの……?」

「なに」




「私が、亨を裏切ったこと」

紗都は俯いた。

自分の浮気を認める言葉を聞いた亨の顔など見たくなかった。


亨も亜梨佐も陽介も関係ない――――自分だけが、罪人なのだ。

自然と、涙が浮ぶ。






「知ってたよ」

亨は言った。



「一度聞いちゃったもん、俺」

紗都の言葉を待つことなく、弱弱しい声で続ける。






「『ようすけ』って人と電話してるの……聞いちゃったもん……」


「――――」



「すぐに分かった。俺が浮気した時………………聞いた名前、だったから…さ」







「どうして……」
「『言ってくれないの』って?」


顔を上げた亨の情けない作り笑いが胸を刺す。


「なんて言うんだよ」







「何て…言えばいいんだよ」

腰掛けたベッドの上で拳を握り、亨は唇を噛み締めた。



「俺が紗都を裏切ってたのに。――――――全部俺の浮気から始まったんだ」

「ちが………私…」


紗都は強く首を振った。
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