不細工な二人
不細工な二人
折原浩平


9ページ目

力強く手を握り返す。
一秒が何倍にも引き伸ばされた世界で俺たちは二人だ。
ある種のロマンス。
此処が眼下にある観覧車の中であったのならどれほど幸福だったか。
3
ようやっと思い至る。
眼下にある観覧車。
2
このロマンスは一体何処で営まれているのか。
時間もないしより判りやすく言おう。
1
それはアナウンス。
ウグイス嬢はあの時何と仰っておられたか?

「富士山よりは低いけど」

始まる浮遊感。
地上最高の世界より地球様から強く激しい引力のアプローチ。
モータはその束縛を解かれ喚起の雄叫びをあげる。
背中の観客らは悲鳴の準備。
遙か先をよぎる赤と黄色の風船。

ー落下

「っっっっッ!!!」
流転する改定する反転する定理混ジル景色滞ル血液暴発スル感情金切リ声祈リ祈ル叫ブ喘グ悶エル蒸発スル瞳裂ケル皮膚逆流スル組織回ル廻ル周リ廻ルウウウウウアベベベベベベベベベベベベベベベ




ー光(トウヒ)
音速を求めて紅の龍は光の道(レール)を泳ぐ。
背に跨る蟻など見えぬ。
大気の壁を超えて龍滝より舞い降りたかつての鯉は身を翻し、反り返し、屈折させ、跳躍して爆音の尾に鋼鉄の牙を押し当て……………目覚めた。

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