不細工な二人
不細工な二人
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長蛇の列はスリルと興奮の証、ひきつる彼の面構えはさしずめカンフル剤が如く彼女を高揚させる。
「いや無理。ホント真面で」
救いを求める微かな音色は露となり虚空(ソラ)に消える。
大気に響くのは絶叫と軋むレールの音。
縦横無尽に張り巡らされた道筋をこれでもかというほどうねり、くねり、走る。
ー[絶叫遊戯回天]ー
かつての特攻兵器の名を由来とし、地上最速の滑車(コースタ)として君臨するその威容。
「ガッツよガッツ!一回乗っちゃえば意外と大丈夫なものだから」
「…何回乗らせるつもりだよこれ」
絶対に二度三度乗るものではない。
まぁ一度でも御免だが。
降車ゲートの顔面蒼白なカップルは眼中になく、聞こえてくる悲鳴と嗚咽は彼女の脳内で歓喜の歌へと変換された上で俺に与えられるカタログスペック。
ー[回天で昇天]ー
陳腐でシュールなキャッチフレーズに踊らされ、黄泉路を巡った猛者たちはその大半がトイレ(吐寫物処理場)を目指す。
それでも尚客足が途絶えないのはトロッコの魔力か、はたまた客がMなのか。
そんな事を考えながら先頭が良いからと後ろの客に順番を譲る彼女を眺めていると、何か人生どうでもよくなってくる。
「さっ、行こ♪」
といってギュッと手を握られる。
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