不細工な二人
不細工な二人
折原浩平


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慢心していたのは疑いようのない事実だった。
見た目も、言動も、周囲の評価も男を警戒するに値しない一市民であることを示した。
興味本位の記者魂、野次馬根性、或いは退屈な正義感などと勘違いしていた。
だが現実はどうだ?

男は過去、とある孤児院にいた。
私達と同じ施設だ。
記憶を掘り起こせば確かに。
虚ろな瞳と奇妙にふやけた体皮。
狂った笑い声と煤けたノート。
かつて男は全身で自らの絶望を表現していた。
どうして何故忘れていたのか。
男もまた彼同様に犠牲者だった。
そう、私の。

ならば男のする事は容易に想像がつく。
あれが事故ではなく殺人と知ったのであれば。
あの悪意の双眸は私達を飲み込む敵意となる。
私の尾行したのは警察に突き出す為ではない。

全身に染みついた死臭が教えてくれる。
恐れる事はない。
迅速に、狡猾に、俊敏に、冷徹に。
「殺害せよ」
何度目かになる決意を胸に。

エンドロールは神秘のchapel。
微笑み揺らして讃え合おう。
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