不細工な二人
不細工な二人
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私は彼よりもずっと幸せだったのだろうか?
振り返れば愛されていた私。
それは古ぼけて尚小さくも優しい記憶。
頬を撫でる手の温もりと柔らかな微笑み。
ゴツゴツした大きな背中に意地悪な笑顔。
正反対な夫婦に挟まれてふてくされる私。
何て、なんて幸せそう。
分かってはいた。
所詮はママゴトの延長でしかない。
歪な関係は必ず最悪な破局を迎えるということ。
父が、母がだらしない私を置いて逝ってしまったときのように。
駄々をこねた私への罰。
いつまでも子供でいようとした大きすぎる代償。
そうして今度は彼をも失うのか?
身から出た錆ではある。
未だ私は両親を忘れられずに彼を愛している。
唯一無二と言いながら心の奥底に寄りどころを残している。
父か彼かと問われれば迷う私がいる。
赦されざる裏切り。
許しを乞うように犯した罪は或いは彼への足枷でしかなかったのであろうか?
血染めの過去を拭う手は同様に血まみれていた。
しかしもう止められはしない。
過去を探る者を放逐してはおけない。
私が彼の母を殺した事を知られてはいけない。
幾人目かの狂気を引きづる。
壊れ、欠けた瞳で夜道を歩いた。
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