不細工な二人
不細工な二人
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これは粗筋にして馴れ初め。
父親は母親と子供を残し失踪した。
そもそも父親も母親も子を持つにはあまりに若すぎた。
愛があれば、と信じた過去は遠い彼方。
度重なる未来への重圧感からくる苛立ちは、幼子の体に消えることのない業を刻んでいく。
片割れ(夫)は消え、支えを失った母親は狂ったように罪を刻み続けた。
そうすることで父親が帰ってくるとでもいうかのように。
そうして母親もまた死んだ。
炭の柱に擦り潰されていた。
皮膚は沸騰し骨を露出して泡立つ。
衝撃で欠けた歯。
裂けた口。
溶け出した瞼。
そんな母にすがりつく嘗ての幼子は、この瞬間少年となって愛すべき骸を抱き寄せる。
やせ細った体で精一杯の愛を伝える。
「もういないの」
そんな骸に彼女は嫉妬した。
だから業火の中で焼けた手を差し伸べた。
私が母になってあげる。
その死骸なんかよりずっとずっと母親でいてあげる。
だから…
ゆっくりと、少年は昔の母親から離れた。
それは過去との決別だった。
自分は新たな恋に生きると。
新たな母と共に行くと。
だから…
あなたは私を(俺を)愛して下さい。
それだけが2人の望みだった。
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