不細工な二人
不細工な二人
折原浩平


13ページ目

輝く城を背景に、煌びやかな一団は夜と人混みを切り裂く。
空に轟く爆音とお決まりのテーマソング。
歌い踊る幻想世界の住人達は、周囲の人々を巻き込んで笑いを続ける。

まるで1日の終わりに抗う様に。
それとも終わりを歓迎しているのか?
平穏無事な明日を祈る様に。

私は人工芝の上。
彼の腕に包まれながら遠巻きに歓声を眺める。
綺麗だ、と。
そんな決まり文句さえ出ないほどに心は覚めてしまっていた。
彼の手が私の髪をそっと撫でていく。
お互い無言で。
けれどきっと今は、これが最も正しい答えなのだと信じる私がいる。
だがら安心して温かさに身を任せる。

…アッハハ、コイツ興奮してやんの。
見上げると慌てて目を反らす彼。
下着位見慣れているだろうに。
気付かない振りをしてからかう私。

それが愉しくて。
嬉しくて。
きっと彼は幸せで。
「今度は私の番ね」
そう呟いて腕の中、そっと瞼を閉じた。
寝過ごしたら彼は私を背負ってくれるだろう。
いやいや、もしかしたらお姫様かもしれない。

大気震わす空からの鼓動は子守歌にして。
眠るベッドは冷たい芝。
愛しい愛しい毛布に抱かれて。
落下する意識に身を任せた。
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