不細工な二人
不細工な二人
折原浩平


10ページ目

…
……
………
「…?い、お?い」
混沌とした微睡みからの覚醒。
やけに素朴で素敵な悪夢を見ていた気がする。

状況を整理。
俺を呼ぶ声、夕焼け空。
そして膝枕。
取り敢えず起きたことを伝える為意識を開く。
グニャグニャとした景観は時間と共に整合性を取り戻し、同時に僅かに残った夢の残滓もたちまち霧散する。
「よく眠れた?」
冗談ぽく笑うその唇に見惚れる。
情けない事に気絶してしまったらしい。
本日二度目の失態に再度赤面する。
もっともこの赤面は八割方枕心地が誘発しているのだが。
「悪い、もう少し寝かしてくれ」
眠気はない。
ただ何とも形容しがたい安らぎがここにはあったから。
「痺れたら肩貸してね」
「そんときは背負って行くさ」
「えー?お姫様抱っこじゃなくて?」
「腕折れる」
音速を越える反応でひっぱたかれた。

「あともう一つ乗ったらパレード行こう?」
あぁ、そういう催しもあるのか。
大名行列は好みではないが花火とイルミネーションだけでもそれなりには目の肥やしになるだろう。
「で、もう一つってのは何さね?」
滑車は止めろよ滑車は、という言外のプレッシャーをかけながら寝返りを打つ。
彼女は悪戯っぽく笑って上を指差す。

←前 次→
最新
採点
戻る トップへ
総合テキスト投稿&無料HP作成
(C)Chaos-File.jp