《エロティック‡クエスト》無器用娘の無器用恋愛術
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流幻


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ファルミールの町の外れにある一軒の薬屋『マリィ薬品堂』。
普通の薬はもちろん、魔法薬や漢方まで薬と呼ばれるものは何でも扱っていると通の間では有名な店だ。
ただし、店主が変わり者だということでも有名だったりする。
その変わり者の店主はこの数日、店を休みにしていた。

『マリィ薬品堂』のアトリエでは分厚い眼鏡をかけた女が薬の調合に励んでいる。
全身薬品まみれで髪はバサバサ、何ともみすぼらしい格好の彼女こそが、変わり者と評判の店主マリィベルだ。
「ついに出来たわ…ウフフフ…」
マリィベルは手にした小瓶を見つめ、妖しく笑う。
小瓶の中ではマリィベルの笑いと同じくらい妖しいピンク色をした液体が揺れている。
この液体の主な材料はスワルド洞窟に湧く『桃色の水』。ギルドに依頼し、20000?という高額の報酬を支払って入手した。この薬を作るためには『桃色の水』が必要不可欠だったのだ。
マリィベルがそこまでして作り上げたこの液体。それは俗に『惚れ薬』と呼ばれるものだ。
「コレさえあれば…彼は私のもの…」
マリィベルが机に置かれた写真立てに目をやる。そこに飾られた写真には一人の魔道士風の少年が写っていた。
マリィベルがその少年の名前を口にする。
「グラン君……愛してるわ……」
そう、写真に写っているのは紛れもない、グランの姿だった。
「もうすぐあなたは私のものよ…ウフフフ…」
マリィベルがまた妖しく笑いだす。その笑い声は次第に大きくなり、やがて店の外にまで漏れ出した。変わり者の評判がいっそう広まることになりそうだ。
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