《エロティック‡クエスト》無器用娘の無器用恋愛術
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流幻


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「…………え?」
目を覚ましたグランが見たのは見知らぬ天井。状況が理解できず、慌てて体を起こす。しかし周りを見てもやはりそこは知らない部屋だった。

ギィィ……

軋んだ音をたてて開いたドアからマリィベルが姿を現した。
「え、マリィさん?」
「あら?ようやく目が覚めたみたいね。」
「え?俺……ギルドで依頼を受けて……マリィさんのとこに来て……それから……あれ?」
状況を把握しようと記憶を辿るがある点からそれは途切れていた。
「私が仕事の説明してるときに、急に倒れたのよ。それから今までずっと眠ってたのよ。」
「そうだったんですか……ご迷惑をおかけしました。」
倒れたのはマリィベルが原因でグランに非はないのだが、そのことを知らないグランは素直に頭を下げた。
「別にいいわよ。でも、仕事はなかったことにさせてもらうわ。」
「え?」
「だって急に倒れられたりしたら心配で仕事なんて頼めないわよ。今日も早く帰って、ゆっくり休んだ方がいいわよ。ほらほら。」
「え?え?え?」
マリィベルに追い立てられ、グランは仕方なく店の出入り口に向かう。
「……今日はすいませんでした。」
「いいから。早く帰って休みなさい。」
「はい。それじゃあ……」
グランはそう言って店を出ていった。その背中を見つめ、マリィベルは呟いた。
「グラン君……幸せにね……」

そしてこのあとしばらくの間、『マリィ薬品堂』は臨時休業が続いた。
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